もし、あなたが、
・ 売り込みをする時、時間をどれくらいかければいいのだろう?
・ その時間内で何を言えばいいんだろう?
・ それをどんな順番で進めればよいのだろう?
・ プレゼンで大成功した人は何を提示しているんだろう?
・ その時、どんな説得方法を使っているんだろう?
・ その相手は、なぜ説得されたんだろう?
といった疑問を持ったことがあるなら、この
『シリコンバレーの交渉術 YESを引き出すの脳科学』
は非常に役に立つ本になるかも知れません。
最新のニューロエコノミクス(神経経済学)分野の
研究成果によると、すばらしい売り込みというのは、
技術でなく科学だということが明らかになってきました。
実は著者のオーレン・クラフによると
売り込みが上手くいくかどうかの鍵は
人間の脳の構造に隠されていたと言うのです。
人間の脳は3つの領域に分けられます。
1つは知覚や思考などを司る大脳新皮質。
その下にあるのが感情や記憶を司る大脳周辺系。
そして最後の1つが、 売り込みや説得の成功の”鍵を握る”
脳幹と言われる「本能」を司る部分です。
しかし、なぜ売り込みや説得において成功の鍵を握るのが
思考を司る大脳新皮質ではなく脳幹なのでしょうか?
それは、、、
⇒ 『シリコンバレーの交渉術』
私の研究では、売り込みの前に
世間話をしても何のプラスにもならないことが
明らかになっていた。巨額のお金がからむ決断を下す人は、
あなたがどこでゴルフをしようと、
どこで駐車スペースを見つけるのに苦労しようと、
そんなことはどうでもいいのだ。私は早い時期にこれを知り、
プレゼンテーターが陥りがちな
ラポールの罠にはまるのを避けてきた。そんなことをする代わりに、
私はユニークなテーマでストーリーを
組み立てることに力を注ぐつもりだった。心に訴える人間ドラマを。
(『シリコンバレーの交渉術』P.201より)
コミュニケーションをする相手と自分の間に
お互いを信用して安心してやり取りができる
という状態のことをラ・ポールと言われています。
ですので、営業にしろ交渉にしろ、
相手から何かの承諾を得たい場合は
同じ地方の出身だとか
同世代の子供がいるとか
趣味が同じとか
何かしら共通の話題などを見つけて
相手との間にラ・ポールを構築すれば
相手の警戒心が解けて
承諾を得やすくなるというわけです。
しかし、この本『シリコンバレーの交渉術』によると、
大きなお金が動く交渉の場合は
このラ・ポールの公式が
必ずしも当てはまらないそうで、
むしろ逆効果になるときもあるそうです。
確かに、いくら共通の話をしたところで、
大きなお金を動かす決断をするための
判断材料にはなりません。
大きなお金を動かすときに
相手が一番避けたいのが「失敗」です。
プロジェクトが失敗すると
お金も失いますし、
かけた時間も無駄になります。
ですので、メリットやデメリットを
明確に説明してくれる人のほうが
信頼できるし、安心です。
というわけなので、営業や交渉においては
ケース・バイ・ケースで
相手の実現したいことや避けたいことを汲みとって
的確なコミュニケーションを図るのが大事ですね。
⇒ 『シリコンバレーの交渉術』
ビジネス書を読むときのコツ
ビジネス書を読むとき
最初のページから最終ページまで
全ての内容を読もうとする必要はありません。
本に書いてある内容はあくまで
あなたのビジネスに役立てるための
ツールだからです。
今あなたが困っている課題を解決するアイデアを
探すように読んでみてください。
役に立つアイデアが見つかったら
本を読むのを中断して
すぐにそれを行動に移してみてください。
そうすることで、買った本を
ただの読み物で終わらない
生きた情報にすることができます。