バタンッ
若者(社会人)は、全部で10席ほどの
小さな会議室から勢いよく出て行った。
会議室で開催されていたのは、
日報の使い方を教えるセミナーだった。
開始直後にスマホをいじり始めた若者を、
講師は冷静に注意した。
「スマホいじるなら出て行ってください」
どう反応するのか?
周囲が好奇の目を向ける中、
スマホをいじっていた彼は、
椅子にだらしなく座ったまま
こう切り返した。
「じゃあ出ていきますよ」
若者は宣言通り出て行った。
慌てて後を追いかける上司。
「お、おい・・・」
すみません、と若者の上司は
申し訳なさそうに講師に謝りながら、
会議室から姿を消した。
二人はもう戻ってこなかった。。。
* * *
これは僕が目撃した実話です。
正直なところ、面食らいました。
これ、もしあなたが上司だったらどうします?
「ったく、最近の若者(社会人)は…」
と言いたくなるかもしれませんが、
明治時代の文献にも「最近の若者は…」
という記述があり、決して現代の
若者に限った話ではなさそうです。
(考えることはいつの時代も同じなんですね…)
ザッポスのCEOトニー・シェイが
絶賛した書籍『トライブ』によると、
人は5段階の集団のどれかに属し、
それぞれに特徴的な言葉や態度、
適切な対処法があるといいます。
=====
第一段階:全体の2%
反社会的行為も行う人々。町のギャング。
使う言葉は「人生は最悪」「どうでもいい」
第二段階:全体の25%
「私の人生は最悪」
無気力な犠牲者集団。
腕組みをして文句は言うものの、
行動に結びつけることはない。
第二段階はどの企業にも現れうる。
使う言葉は「上司」「無理」「最悪」
第三段階:全体の49%
「私はすばらしいが、あなたはそうではない」
自分は勝たなければならないと考える。
漂う雰囲気は、孤独な戦士の集まり。
いくらチーム作りをしても、
自称スタープレイヤーをまとめることはできない。
使う言葉は「私はすばらしい」
「やった」「やる」「言った」
第四段階:全体の22%
「私たちはすばらしい」
前の段階からの隔たりは大きい。
価値観に基づいた人間関係を構築する。
使う言葉は「チーム」「関わる」「価値」
第五段階:全体の2%
「人生はすばらしい」
世界的な影響を与える
プロジェクトが存在している間のみ。
状況が変わると第四段階に逆戻りもする。
=====
冒頭の若者は第2ステージの
無気力な状態にあると考えられるので、
ここで有効な1つのアプローチは、
第三段階後期の人間と
関係を築くよう働きかけること
です。
=====
第三段階後期の人間とはつまり、
自らを手本として他人を指導するのが
好きなタイプである。
(しかし、自分を超越するような
人間を許さないタイプでもある)
=====
もしあなたの会社に、
自分の能力に自信を持っていて、
人に教えたがるような社員がいれば、
ぜひ第二段階の人との接点を
増やしてみてはどうでしょうか?
本書『トライブ』では、各段階から
上の段階へと引き上げる方法など、
組織について体系化された情報が、
もっと詳しく紹介されています。
組織づくりに悩んでいる方は、
ぜひご一読ください。
読んで損はしないと思います^^
P.S.
第二段階でくすぶる人間と
学歴等の優秀さとは、関連性がないと
本書では語られています。
きっと大企業だけでなく、
中小企業でも参考になるでしょう。
ビジネス書を読むときのコツ
ビジネス書を読むとき
最初のページから最終ページまで
全ての内容を読もうとする必要はありません。
本に書いてある内容はあくまで
あなたのビジネスに役立てるための
ツールだからです。
今あなたが困っている課題を解決するアイデアを
探すように読んでみてください。
役に立つアイデアが見つかったら
本を読むのを中断して
すぐにそれを行動に移してみてください。
そうすることで、買った本を
ただの読み物で終わらない
生きた情報にすることができます。