北アメリカのロッキー山脈には
シロイワヤギという牛のように大きなヤギがいます。
彼らは標高2500~3000mの断崖絶壁にいて、
冬はマイナス20度、30度は当たり前という
とんでもないところで生きているのです。
他の動物からしてみれば、
「よくあんな不便で寒い所に住めるな」
と思われているかもしれません。
しかしちゃんと食べ物(高山植物)もあるし、
外敵のコヨーテが上がってこれないというメリットもあります。
他の動物にとって最悪な環境が
シロイワヤギにとっては最高の場所なんです。
この状況はまさに「ニッチ戦略」そのものだと言えます。
生き物同士、きちんと住み分けができているんです。
ここ数年急激に伸びている
「俺のイタリアン」「俺のフレンチ」などは
ニッチ戦略の代表的なものと言っていいでしょう。
高級料理で低価格なんてあまりに不合理なので、
そんなことやりたくても誰もできませんでした。
食材自体も高級だし、家賃も高い。
おまけにお店のブランド的にも
安価で料理を出すわけにはいかなかったのです。
そこに目をつけたのが「俺の」シリーズです。
立って食べてもらうことでお客さんの回転率をあげ、
売り上げを伸ばそうと考えました。
普通の居酒屋の回転率が1.2~1.5回転なのに対し、
なんと「俺のイタリアン」は約3.5回転です。
「俺の」シリーズの工夫はこれだけではありません。
メニューをよく見てもらうとわかりますが
料理は多少安くても、飲み物は別に安くないのです。
なので客単価自体は、他のお店と大差がありません。
だから結果的に「俺の」シリーズは
料理を安くしても儲かっているのです。
他がやりたいけどできないことをやり、
その強みによって売り上げを伸ばす。
よく考えられていますよね。
実は今回のこの話は
ドラッカーの研究者として有名な
藤屋伸二先生の講座の一部です。
藤屋さんの話を聞いていると、
ドラッカーのようにとっつきにくい理論が
実は私たちの日常の中に潜んでいることがよくわかります。
あらためてドラッカーを学び直してみたい、
経営力をもっと磨いていきたい、という方はぜひ
一度こちらの講座の詳細をご覧になってみてください。
↓
『ドラッカー「マネジメント力」養成講座』
講師紹介
藤屋 伸二
藤屋マネジメント研究所 所長/差別化戦略コンサルタント
1956年福岡県生まれ。1996年 藤屋マネジメント研究所を設立。
1998年からドラッカーをコンサルティング理論のベースに置く。以後、ドラッカーの著書を183回以上も読み込んで独自のコンサルティング手法を編み出し、200社以上の業績伸長やV字回復を支援してきたドラッカー活用のスペシャリスト。
ドラッカー関連の著書・監修書19冊(5冊は海外でも発行)の累計は181万部を超え、コンサルティング・社員研修・セミナー・講演などを通じてドラッカー活用法の普及活動に努めている。このようなことから「日本でドラッカーを最もわかりやすく伝える男」と言われている。
現在、中小企業経営者向けにドラッカーを活用して業績アップの手法を学ぶ【ドラコン藤屋の経営塾】を主宰している。